
拡大床矯正(床矯正)は、主に成長期の子どもを対象とした矯正治療です。入れ歯のような形の取り外し可能な装置を使い、顎の骨を少しずつ広げて、永久歯が正しく並ぶためのスペースを確保します。
拡大床矯正の仕組み
- 装置の装着
- プラスチック製の床部分とワイヤーでできた装置を、口の中にはめて使います。
- ネジの調整
- 装置にはネジが埋め込まれており、定期的にネジを回して少しずつ装置を広げます。
- これにより、歯列が外側に広がり、顎が拡大します。
- 自己管理が重要
- 治療効果を得るには、1日10時間~20時間程度の装着が必要となります。
拡大床矯正の特徴
- メリット
- 抜歯のリスク軽減:顎を広げることでスペースを作り、抜歯をせずに済む可能性が高くなります。
- 取り外し可能:食事や歯磨きの際に外せるため、衛生的で、普段通りの食事ができます。
- 痛みが少ない:弱い力でゆっくりと顎を広げるため、ワイヤー矯正に比べて痛みが少ないとされています。
- 見た目が目立たない:装置が主に口の内側にあるため、外から見て目立ちにくいです。
- デメリット
- 自己管理が必須:決められた装着時間を守らないと、治療が計画通りに進みません。
- 適応症例が限られる:歯を細かく動かすことはできず、歯並び全体を整えるには、ワイヤー矯正やマウスピース矯正との併用が必要になる場合があります。
- 大人の矯正には不向き:顎の成長を利用する治療のため、顎の成長が終わった成人には適応できないことが多いです。